娘の初節句。
親はもちろん、おじいちゃんおばあちゃんも雛人形の品定めに躍起になっているのでは。
急ぐ気持ちはわかりますが、ちょっと落ち着いて、今一度雛人形の選び方をおさえておきませんか。
後悔しないための雛人形選びのコツです。
雛人形の選ぶ5つのポイント
店頭に飾ってある絢爛豪華な雛人形をみると、きっと娘のため、孫娘のためとついついランクの高いものを選んでしまうのでは?
いうまでもなく、雛人形は家に飾るもの。
本当にその大きな段飾り、家に飾れますか?
雛人形の選ぶポイントは以下の5つです。
- 意外と多い雛人形の種類をチェック
- 買う前に飾る場所と収納場所を確保
- 値段の相場をチェック
- 人形の品質をチェック
- 雛人形は顔が命
意外と多い雛人形の種類をチェック
店頭に大きく飾られた段飾りは2段~7段と幅広くあります。
七段飾りは特に「十五人飾り」ともよばれ、一番縁起良いとされています。
一段目に親王、二段目に三人官女、三段目に五人囃子(ごにんばやし)、四段目に右大臣・左大臣。
そして五段目には仕丁(じちょう)三人が飾られます。
これが五段飾りで、七段飾りは下二段に家財道具一式が飾られます。
これらは本当によくできていて、作り込みの細かさは私も幼いながら昔感心したことを記憶しています。
人形たちの小道具にしても、おもちゃのようなちゃちなものでなく、本物さながらの端正なものだったのを覚えています。
最近ではこの七段飾りや五段飾りのような大きなものは住宅事情からあまり人気がないそうですね。
残念ではありますが、たしかにあの大きさは飾っている期間かなりの面積をとられてしまうため生活に支障をきたす可能性さえでてきます。
雛人形は大きく分けると3種類の飾り方があります。
- 親王飾り 雄雛と女雛のみのお飾り
- 五人飾り 雄雛と女雛と三人官女の5名
- 十五人飾り 五段飾り・七段飾りなど総勢15名のお飾り
最近はやはり親王飾りを求める方が多いようです。
ちょっとさみしい感じもしますが、場所をとること、値段も高いこと、さらに収納する箱も多いのでその場所の確保も必要になってくるのが敬遠される理由のようです。
ただ、そんな住宅事情に合わせて最近では比較的省スペースにも置くことのできるコンパクトな五人飾りなどもでてきているようです。
また、雛人形には「衣裳着人形(いしょうぎ人形)」と「木目込み人形(きめこみにんぎょう)」という種類があります。
最近では陶器などもありますが、まずは定番のお人形の種類をおさらいしておきましょう。
衣裳着人形も木目込み人形も伝統的な雛人形の技術です。
衣裳着人形は胴体に衣装を着せていくのに対し、木目込みは木に筋目を入れ、そこに布の端を押し込み固定していきます。
木目込みのほうが型崩れなどしにくく取扱いはしやすいですが、衣裳着人形のような優雅さはありません。
どこか可愛らしい愛着のあるものが多いように思えます。
買う前に飾る場所と収納場所を確保
雛人形は立春(2月4日頃)過ぎから2月中旬に飾るのが一般的。
つまりは短くても半月くらいは飾りっぱなしになります。
そうなると考えなくてはならないのが飾る場所。
十五人飾りとなるとそれこそ畳2畳分くらいはとられます。
また、意外と盲点なのが収納場所。
段飾りは土台の骨組み、台、人形、小道具などいくつもの段ボールに分けて収納しなくてはならず、すでにパンパンの納戸にどう仕舞うかは予め決めておかないと大変なことになります。
また、親王飾りのガラスケースに入った雛人形も結局はガラスケースはそれ以上小さくたためないので飾った大きさそのまま収納することになります。
収納場所がないからと雛人形を出しっぱなしにしておくのは絶対NG!
(愛娘が婚期逃すことになってしまいますよー)
愛する娘・孫娘のためにも飾る場所としまう場所をしっかり確保し、適正な雛人形選びをしてくださいね。
値段の相場をチェック
一言で雛人形と言ってもその値段の幅は驚くほどひろいのです。
「みんなどのくらいの値段のものを買っているのかな。」
気になりますよね。
ざっくりな相場は
- 木目込み 3万円~15万円台
- 親王飾り 12~15万円前後
- 三段飾り 15万円~22万円
- 七段飾り 30~40万円
くらいだそうです。
つまりは3万円から40万円まで。
高いものだと100万円台も。
実際その値段の差ってなに?
となりますよね。
衣装などの素材の差と手仕事の差で概ね決まるようです。
衣装は本物の絹を使用していたり、人形の髪の毛、顔を決める塗料など。
その差は大きく、さらに職人さんの手が加わるとその差は大きく変わっていきます。
人形の品質をチェック
衣装などの素材は見た目の美しさや品に大きく影響します。
実際正絹・化学繊維などで値段は万単位で値段が変わってくるようです。
正絹はもちろん高いですが、品のある風合いと自然な光沢が味わえます。
生地は厚みのある、見るからに優雅に見えるものを選びたいですね。
薄い化学繊維のものは、やはりそれなりに見えてしまいます。
衣装の着せ方もチェックしてください。
衣裳着人形などは全体的に重ね着させているものや見えている部分のみ重ねているもの、さらに上半身だけ重ね着しているものなど様々。
女雛の袖の中をみてみるとある程度わかるのでそのあたりもチェック。
全体的にきちんと重ねているものはもちろん高いですが、人形のフォルムとしてはふっくらとしてとてもきれいなラインがでます。
また、小物なども同じく素材や作り方は様々。
屏風の素材には木・布・プラスチック・紙などがあります。
職人の手仕事では蒔絵などもあり、屏風を延ばすとキレイに伸びますが金紙を貼った屏風はキレイに伸びないそうです。
造花なども繊維により安っぽくみえるものがあるので、細かいところですがチェックしてください。
なにもかもは無理という場合、お道具などの小物は後から追加したり交換することもできることがあるので販売店などに相談してみてください。
雛人形は顔が命
老舗人形メーカーの吉徳の広告のキャッチでもあるように、雛人形はなんといっても顔で決まります。
衣裳着人形の顔は職人が一体一体手がけていて、どんなベテラン職人さんでも一寸の狂いなく描くことは不可能です。
つまりは一点ものといえるのです。
ただし衣裳着人形すべてが手作業で描かれているものではありません。
店舗の方に作りのことは聞けばいいと思います。
もし機械でつくられたものであっても、「いい顔」と思えるならそれでもいいかもしれません。
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雛人形は人からもらってはいけない理由
雛人形はそもそも、子どもの厄を請け負い、子どもが元気に育つことを祈って飾るという、いわば厄除けのお守りの意味があります。
子どもの身代わりのなったお守りを中古品として売ったり、人へ譲渡するのはご法度です。
「雛人形は高いから。」と中古販売ネットなどで購入するのも同じ理由でNGです。
大切にしてきた愛着のある雛人形を、どうしても縁ある特定の方に譲りたいという場合は、雛人形の本来の由来を説明して本当なら避けるべき行為ということを納得してもらったうえで譲渡してください。
もし、どうしても処分したくない場合は寄付という選択もあります。
自治体など公共の場所で飾るための雛人形を募っている場合がありますので、調べてみるのも手ですね。
雛人形は2月中旬くらいが品ぞろえが充実すると言われています。
店舗を数店まわり、実際お人形のお顔や衣装、作り込みなどを吟味してみてください。
ネットより実物をみることをおススメします。
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